第一章 黒い影が遊ぶ公園

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 でも、気になる点はある。 「昂も行くか?」  昂は、最近、杖なしになった。 一年、眠ったままの昂であったが、何故か俺が近くにいると起きていられる。 それは、昂が通過者であり、 俺自体が異物(インプラント)であることに関係しているのかもしれない。  通過者は、生まれながらに、 記憶を保持している異物(インプラント)を持っている。 それを奪われると、自我を失ってしまう。 強力な異物(インプラント)も存在し、そこに吸収され眠ったままであった昂に、 新しい異物(インプラント)を造り、与えてしまったのは俺であった。
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