第一章 黒い影が遊ぶ公園

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 公園には緑も多く、芝生もあって、そこでお弁当を食べる人もいる。  ブランコを見つけると、ロープが張られ、危険と書かれた札が下げられていた。  見回すと、公園の遊具は、昔と比べると、かなり減ってきていた。 その内、遊具は、何もなくなるのかもしれない。  公園のベンチに座ると、周囲の家族を観察してみた。  幼い子供が遊ぶ傍らで、親が見守っている。  俺のように、昼間にスーツ姿でベンチに座るなど、どこか浮いてしまっていた。 昴は、アルバイトで普段着であるが、それでも、やはり浮いている。 「俺、体操部でしたからね」  昂が鉄棒で、くるくると回ってみせた。
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