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昂を見ていた俺の隣に、
ベンチに座るように揺れる小さな足が見えた。
ベンチの周囲には、くろいモヤモヤが渦を巻き漂っていた。
それは、小さな意志を持ち、帰りたいと呟いていた。
『待っているの。
ここで、お母さんとお父さんが待っていなさいねと言ったの』
アケミであるのか。言葉から、世界が見えていた。
警報の中、アケミは学校の便所に入った。
待っていようとした、母親は腕にアケミの弟を抱え、
背にアケミの妹を背負っていた。
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