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「お母さんのところに、行ってもいいよ」
アケミの笑顔が、光になった。
黒いモヤモヤも、光についていって欲しい。
この言葉から世界を見る能力も、当たり前のように俺にあった。
楽しそうに鉄棒をする昂を見ながら、又、隣を見ると、学生服の足があった。
やはり、綾瀬は成仏できていないのか。
そもそも、成仏という概念が俺には分からないが、
肉体を失っても、消えられない人は存在していた。
綾瀬の手が、紙をくれと催促してくる。
俺が、内ポケットから紙を出すと、文字が浮かんでいた。
『終わっていないよ』
どういう意味であるのだ。
横を見たが、誰もいなかった。
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