第一章 黒い影が遊ぶ公園

6/28
前へ
/238ページ
次へ
 遥香が、話が怖かったのか泣き出したので、俺は慌てて、ジューズを出した。 「遊部君、分かってないのね。私は、怖くて泣いていません。 悲しいのです」  遥香の方が、俺よりもしっかりしている。 「公園で遊ぶアケミちゃんは、いつも、ブランコに乗って待っています。 アケミちゃんは、防空壕に入ったお母さんが出てくるのを待っているといいます」  今度は、遥香の話で、母親の方が泣き出した。 「そうなのです、ブランコに黒いモヤモヤのようなものが、よく浮かんでいて……」 そのモヤモヤが、道路に行くと事故になり、子供に向かうと、その子供は病気になった。 遥香の母親は、モヤモヤが怖くてたまらずに公園を避けようとした。 しかし、遥香が、公園に行かないと、アケミちゃんが家に来るよと言ったのだ。 そこで、生葬社に相談に来ていた。
/238ページ

最初のコメントを投稿しよう!

239人が本棚に入れています
本棚に追加