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「だって、遊部君には後ろに彼氏がついているよ」
俺の後ろに彼氏?遥香は何を見ているのだろうか。
俺は、後ろを見てから、遥香の目を見てみた。遥香は、確かに何かを見ている。
「……綾瀬か?」
遥香の目を覗き込むと、確かに俺の後ろで、俺を抱えて座っている綾瀬がいた。
子供には、綾瀬が見えているのか。
しかし、俺も、綾瀬が近くにいるとは知らなかった。
「こいつは彼氏ではなくて、俺の幼馴染で、五年前に事故死している。
今は、俺の守護をしようとしているらしい」
「死んでいるの?」
遥香が、綾瀬と握手していた。
「そう」
俺が頷くと、遥香の母親の顔が真っ青になった。
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