第一章 黒い影が遊ぶ公園

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「だって、遊部君には後ろに彼氏がついているよ」  俺の後ろに彼氏?遥香は何を見ているのだろうか。 俺は、後ろを見てから、遥香の目を見てみた。遥香は、確かに何かを見ている。 「……綾瀬か?」  遥香の目を覗き込むと、確かに俺の後ろで、俺を抱えて座っている綾瀬がいた。 子供には、綾瀬が見えているのか。 しかし、俺も、綾瀬が近くにいるとは知らなかった。 「こいつは彼氏ではなくて、俺の幼馴染で、五年前に事故死している。 今は、俺の守護をしようとしているらしい」 「死んでいるの?」  遥香が、綾瀬と握手していた。 「そう」  俺が頷くと、遥香の母親の顔が真っ青になった。
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