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熱のせいか、この一年間抱きしめられた中でも断トツにあったかい体温だった。
耳にかかる息も熱い。
私まで、この熱にうかれてしまいそう。
「気持ちいーな。留美は」
身体中の力が抜けていくのか、彼の体重が私に乗っかかる。
それを支えるのはちょっと辛かったけど、安心してくれているのかと思えば、いくらでも我慢が出来そうな気がした。
それでも、やっぱり病人さんはちゃんと布団で休まなくちゃいけないと、冷静に自分の言い聞かす。
「ちゃんと寝よ?私も隣で寝るから」
「……襲っちまいそうだな」
「えっ?それでもいいけど!」
「アホ、冗談だ。そんな元気があるか。寝るぞ」
言い出したのは吉沢さんなのに、どうして私がお預けをくらわされるんだろう。
腑に落ちないけれど、二人して久しぶりに同じベッドに横になった。
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