第1章

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禁欲コンフィデンシャル プロローグ 第1章  招集(しょうしゅう)  第2章  急襲(きゅうしゅう) 第3章 汲汲(きゅうきゅう)  第4章 蒐集(しゅうしゅう)  第5章 啾啾(しゅうしゅう)  第6章 収拾(しゅうしゅう)  エピローグ  プロローグ   皆さん、挨拶はそこまでにしてください。そうそう、そのまま集中して聞くように。  さて、ここに一冊の書物がりますね。私の右手にね。ここね。カメラ大丈夫。  奥の方(ほう)の方(かた)は、上にあるヴィジョンを見てくださいね。  おほん。  この書物を『創世の書』を、寓話や伝説だという人。人の心がまだまだ弱かった時代に、まるで優秀なコンピューターのOSのように、幼い人類の心を安心させる目的で作られた話など、神聖を削いだ話に変えたがる人がいます。  私個人としては、それでも良いと思っています。そう、信仰は自由ですから。向こうの国とは違ってね。  ははは。上には聞かれたくないですが。  皆さんはこの冗談が分かるみたいですね。  さて、本日は私と共に、この書物を。いいえ、歴史と未来についてを紐解(ひもと)いていきましょう。これはきっと、どんな分野で労働することになろうとも、必ずいつか、どんな瞬間であろうとも。あなたを裏切ることはありません。  これは、決して大げさな表現ではないのです。  早速(さっそく)459ページを開いてみましょう。  私の人生の中で、この精読ほどエキサイティングなものはありません。かつ、私は科学者です。自然科学を使っても、この書物を解明することができます。そうですね、この発言にも笑ってしまう方もいるでしょう。    みなさん、そのように歩きましょう。  みなさん、そのように生きましょう。  みなさん、そのように学びましょう。  みなさん、そのように遊びましょう。  では、音読しましょうか?読む場所も大変重要です。  そして、創造主は言った。  どうしてあの女たちを剣で叩き、槍で刺さないのか。  マグとナサルの兵は恐れ多くも応えて言った。  この兵は、定められた百人の長である。  その女の持つ、馬のように大きな剣があればこそ近づけません。  創造主は、それを聞いて言った。  ならば、北ではなく南から攻め入れば良いではないか。  ヨグレブとガサルの兵が謙(へりくだ)り応えて言った。  この兵は、定められた十人の長である。
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