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「なんか用?」
「さっき菓子を持っていったから、寝る前に歯磨きしろと言いにきた。」
「ハァ…?あっそう。ちゃんと磨くし」
わざわざそんなこと言うために来た、ワケないだろ。
大方、目的は単なる粗探し。だろ。
ノックが聞こえた瞬間に開いていたページは右上の【×】をクリックして消したけど画面は下にしていたインターネットTOPを開いたままだった。
「さっさと寝ろよ。こんな夜中までインターネットでなんか遊ぶんじゃない。」
「そりゃ、ドーモ。別に遊んでたんじゃないけどー」
「ほう、そうか?勉強してた様子でもないだろうに」
「あのさァ、今時、参考書ひらいて勉強なんて効率悪いでしょ。
調べたいことはネット検索したらすぐ出るんだし。
…これだからオッサンは」
「おい、いま、なんて?」
ピリッと空気が張り詰める。
意図して挑発したから、兄貴が怒っても馬鹿じゃないかとおもった。
そもそも14歳も歳が離れているのだからジェネレーションギャップがあったってあたりまえじゃん。
長兄は24歳の時の子、次兄は26歳の時の子、俺は40歳の時の子。
(兄貴よりセンセーのが若いとかウケるし。)
「っていうかさ、文句いわれてもこれが俺のベンキョーの仕方なんですけどー?
現に成績悪かったことなんてないでしょっ」
床を蹴って椅子をクルッと反転させる。
向かい合わせになった兄貴と対峙した。
ゆったり椅子の上で胡坐をかく。
「それに、俺の成績下がったら喜ぶの兄貴なんじゃない?
そりゃー、そうなるの俺だってイヤだもん、こんな時間まで勉強だってするよー?」
目をみてニッコリ笑ってみせる。
「俺、誰かの言いなりになるの厭だし。
それにちゃんと学校に行くとかの約束は守ってるんだからそれ以上口出しされるおぼえもないんだけど」
「…っ、お前はまた…そんな子供じみた考えだから、」
「だってまだ子供だしー?俺まだ高校生だもん」
「もう、いい…。好きにしろ」
「はーい。」
少し強めにドアが閉まる。
「アーァ、ちゃんとカギ閉めときゃよかったーぁ」
そこは自分の不注意。←
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