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「とりあえず、落ち着いてお茶でも飲むか。」
立ち上がった俺をムッとした顔のままの神堂が見上げて目が合った。
「…なんか、納得がいない」
だろうね。
「でも…いまから既成事実作るよりも先に根回しする時間はあってもいいともうけど?」
「あー…そっか。…うん。それはそうか。」
理屈の通った理由ならば納得するのは神堂らしい。
(俺も、感情じゃなくて合理的に物事考えなきゃな…)
「あと20分くらいでバスの時間だろ。送ってくから」
「えー、泊まってちゃダメ?
なんか、このままバイバイって後味悪いンですけどー」
甘えた(に聞こえる)声にも、ピシっと線引き。
「平日はダメだって。こういう油断で全部オシャカになったらどーすんだ」
「ちぇー」
俺だってイヤだよ。こんなの。
会話が無くてもとなりにいてくれたらそれだけで心の隙間が埋まりそうなのはこっちだって同じだし、わかっているけど・・・けど。
そんな馴れ合いではなにも解決しないのもわかってるからそっちを選ぶんだって。
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