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「センセー」
「ん、神堂どうした？」
授業が終った教室で神堂はニコニコしながら俺に近づいてきた。
「今日ってお昼どこで食べンの？」
「えーっと、…まだ決めてないな」
質問の意味が解らず適当に答える。
だって、俺、この前言ったよな？
あんまり必要以上に近づくな、って意味で「バレないようにしよう」って。
ん？伝わってなかった？
それとも分かっててやってんのか？
判別できないから素っ気無くするしかないのはさすがに神堂も気がつくよな？
顔には出せない動揺が頭の中でグルグルまわる。
(っつーか、なんで教室で話しかけンの？
そんなのメールでいいじゃねーかよ。)
「なぁんだ。じゃ、いいや」
「あ、うん。」
え？
それだけ言ったらパッと廊下へ出てしまった背中をポカンと見送る。
一体なんだったんだ？
他の生徒たちは次の移動教室の準備をしている最中で、
一部の女子はヒソヒソ話しているくらいに、妙な出来事だった。
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