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「ねぇ、何度でも言うよ。好きだって。
これからどうなりたい?」
神堂の、理の促がした先に縋って追いかけて掴まってもいいんだろうか。
―もう、あんな諦めた暗い場所に戻りたくなんて無い。
手を差し伸ばされているのなら――――取りたい。
決まってる。
「好き、だ。好きだ好きだっ!
…俺だけを好きになってほしい。俺だけを、…俺だけにしてほしい。他にどこにも、行かないで…っ、ほしい」
強欲な本音が言葉になって口から吐き出される。
もう止められない。
彼の胸に顔を埋め全力でしがみつく。
離したくない。
離れたくも無い。
彼が手に入るのなら、どんな悪人になってでもいいとさえおもった。
このままこの部屋だけ宇宙にでもいってしまえ。
、
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