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「買出しありがとうな。
コーヒー飲むだろ?」
先に進んだ室内で
窓際に置いてあるコーヒーメーカーに手を伸ばす。
(あぁ、明日からはコイツから解放される。)
ただ今日さえ乗り切れば夏休みも間、会わなくて済むっていう安堵だけしか持ってはいけないとおもった。
それ以外の感情なんて…
「ちょっと薄くしていいか?まだ少し体調が悪いから」
「なら、水でいいじゃん。コーヒーは胃ィ荒れるよ。」
背中から抱きすくめられて動きが止まる。
コーヒーの粉が床に散らばった。
「そんなのいいからさぁ、シよ?」
「ン、わかった。」
(あぁ、…ホラ。)
こんなもんだって。
湧き上がってくる「なんかちがう」感情を、ねじ伏せた。
見上げる窓の下は校門の通学路で生徒たちが歩いている声がする。
。
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