モノローグ

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春が来てるのにまだ少しだけ、肌寒い。 色が透(ス)き通るような絵の具で描(エガ)いたような空。 少し暖かい風が身体(カラダ)がスリ抜ける。 一歩(イッポ)歩くだけでまだ咲いたばかりの桜が舞う。 そんな季節に俺は、恋をした。 「...ハッ...!!」 「....」 靡(ナビ)く髪は風に吹かれて。 色白な肌と真っ白なワンピースが俺の心を白くする。 そして散らばる桜が頬を淡(アワ)くする。 俺はこの瞬間を、忘れない。 君の瞳に俺がまだ、写っている事を。
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