第2章 堂々巡り

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祥子は親しくなり、いつも一緒にいた。 耀達にとって祥子は美奈子と仲の良い友達 としての印象が強かった。 彼は何故彼女と寝たのかはっきりと思い出せ ない。成り行きであることは確かだが、 美奈子の友達と知っていて、恋愛感情もない のにどうしてトラブルを招くような真似を したのか、彼自身も覚えていないのだ。 美奈子と別れる気などなかった。否、彼女を 寺庭に迎えられないかと考えていた。 それなのに、結局は男を誰かと共有する気は ないと言う美奈子の言葉通りになって しまった。女を失い子どもを得ることもない。
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