第3章 夢

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確かに自分の寝室だ。祥子の目が部屋の隅の 障子を捉えた。 「あの障子の向こうは?」 美奈子に尋ねると彼女は障子を開けた。 小さな部屋があった。夢に見た通りであった。 「あの部屋から人が出てくる夢だったの。 この部屋の造りとまったく同じで…、」 その時初めて祥子はなぜ美奈子が家の中に 入ってきたのか疑問に思った。 「それより、美奈子はどうしてここにいるの?」 「様子を見に来たの。玄関の鍵が開いてたから 呼んだけど、返事がないからどうしたのかと 思って。」
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