第3章 夢

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溜息が出た。 寝室に戻って美奈子が開けた障子の向こうへ 足を踏み入れた。夢で見た通りの部屋だった。 まるでこの小部屋が己の存在を知ってくれと ばかりに夢に現れたようだ。 「祥子、体調は悪くない?」 「大丈夫。」 「あまり気分の良くない夢は疾患を表すとも 言うから、気をつけて。」 「ありがとう。」 「朝ごはん、作ろうか。」 「ううん、いい。食欲ないから。」 「わかった。でも、なるべく食べて。」
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