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溜息が出た。
寝室に戻って美奈子が開けた障子の向こうへ
足を踏み入れた。夢で見た通りの部屋だった。
まるでこの小部屋が己の存在を知ってくれと
ばかりに夢に現れたようだ。
「祥子、体調は悪くない?」
「大丈夫。」
「あまり気分の良くない夢は疾患を表すとも
言うから、気をつけて。」
「ありがとう。」
「朝ごはん、作ろうか。」
「ううん、いい。食欲ないから。」
「わかった。でも、なるべく食べて。」
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