第1章 托鉢

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「彼女は参禅してるから。」 「参禅…?」 「禅の修行をしてるから、知ってても不思議 じゃない。いや、むしろ知ってて当たり前 かな。もしかしたら、尼僧になるつもり なのかと思ったことがある。」 「美奈子が尼僧に?」 「今は仕事が充実してて、そのつもりはない みたいだけどね。」 「そう…。何だか美奈子は自分の人生を切り 拓いて、どんどん遠くへ行くみたい。 わたしは同じ場所に留まってるけれど。」 「生き方の違いだよ。どっちがいいとか悪い とかの問題じゃない。」
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