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17 だけど、はぁ……だぜ、もぉ (続き)
「潤ちゃん、そんな事言わないで。
あの……、私……、なんていうか、
その、潤ちゃんがしてくれて、すごく嬉しかった。
それに、あの、した事ないから下手だと思うんだけど、
でも、あの、私も潤ちゃんを舐めたりしたら、いい……?」
えっ……。
なんだか唐突に大胆な事を言われ、俺の方が戸惑う。
だが、相変わらず思い詰めたような目を向ける彼女に
俺の胸の方がキュッと詰まった。
だから俺は、ゆっくりと彼女を抱き寄せ額を合わせた。
「ごめんな、つぐみ。本当の快感を、あげられなくて」
「潤ちゃ……」
言葉を挟みかけた彼女の唇を、続きを奪い取るように俺はキスで塞いだ。
そして、
「でも今夜は、その分、たっぷりつぐみを味わわせてくれない?」
えっ……?
小さく目を見開いた彼女が、
意味が分からないというようにキョトンと俺を見返す。
そんな彼女の鼻先に短いキスをして、俺はニヤリと笑いかけた。
「今度は、もっとゆっくり、じっくりとさ。
さっきの、もう一回したいってこと」
途端に、暗がりの中でも分かるほど彼女の顔がポッと赤くなった。
そして、ストンと視線を落とした彼女に「嫌?」と尋ねると、
黙ったままで小さく首を振る。
「じゃあ……」
俺は、腕の中にいた彼女を囲い込んだまま覆いかぶさった。
「もう一回、たっぷりやろう」
そう言うやいなや、ねっとりと彼女の唇に自分の唇を重ねた。
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