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18 デレデレだぜ、もぉ
終電勤務に突入してからというもの、
やはり俺の頭も生活も、ほとんど仕事一色にならざるを得なくなった。
お陰で、「ブチ同棲」から「夫婦」になるまでの時は
まさしく矢のように過ぎていく。
それと同時に、あんなに焦って塞いでいた気持ちも
鈍化するように、どこかで軽くなっていた。
そう。
実は、俺は未だに
男として、夫としての体の準備を整えることが出来ないまま。
しかし仕事に忙殺されていたせいか、この頃には
その事は、もう半分以上どうでもよくなっている自分がいた。
こうして一日の大半を仕事に追われる時が続くこと、約ひと月。
ようやく今年の俺の終電勤務が、終わりを告げた。
しかし、ホッとしたのも束の間。
それから、今度は式の本番準備に追われること約半月。
なんだかんだと再び別の意味で時に流され続け、迎えた当日。
都内で俺たちの結婚式が、小ぢんまりと行われた。
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