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そう。
俺の終電生活を数週間後に控え、俺たちの「夜の環境」は万全に整ったのだ。
しかし、いざ今夜こそと事に臨もうと意を決すると、
もしも失敗したらという不安が先に立つ。
そのせいで、たとえ薬を飲んでも、俺の体は反応してくれない。
なんか、今まで感じたことがないほど自分が情けなかった。
大好きな彼女を毎晩のように抱き寄せ、触れているのに、
肝心の自分が役立たずすぎて腹立たしく、ひたすら焦れるばかり。
そして、そんな風に自分に対する苛立ちが積もると、
つい貪るように彼女を求めて味わってしまう。
だが、俺が、そうやって彼女を味わえば味わうほど
彼女は、どんどん快感を憶えて艶を増し、俺の自信は逆に益々萎んでいく。
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