16人が本棚に入れています
本棚に追加
せめて結婚するまでには、なんとかまともな「男」に戻りたい――。
これは、決して、俺一人の望みではないはず。
なにしろ彼女にとって結婚は、
単に好きな男と夫婦になるというものではない。
その先にある温かな家族こそ、彼女が夢見ているものだと分かっている。
それだけに、彼女の望む温かな家庭生活を、
本当の意味で幸せと共に迎えたい。
そしていつか夫婦となった俺たちが、
新たな家族を迎えて、名実共に温かな家族となりたい。
しかし現実は、望むほどに、焦るほどに希望と逆行していく。
お陰で俺は、まだ彼女の前で一度も裸になれていない有様。
そして、俺たちの間に新たな命を望む夢など、
本当に夢のままになってしまいそうな気がしてくる。
最初のコメントを投稿しよう!