207人が本棚に入れています
本棚に追加
「んもー!!怒る事ないでしょー!」
幽霊は、まるで僕の心を呼んだかのように言った。何故心が読める?と僕は疑問に思ったが、今こうして、非現実的な現象が立て続けに起こっているのだ。幽霊が心を読めたとしても、何らおかしいことは無い。
「あれは、貴方がやったのか」
僕は幽霊に問う。
「そうだよ。俺があの子ーーつまり君の親友くんに取り憑いて、人を殺させた。そして」
そして?
「今日から世界は殺人鬼だらけになる」
どういう事だ?話が突拍子過ぎて何が言いたいのか全くもって分からない。
「つーまーりー!」
幽霊は楽しそうに言い放つ。だが、どこか猟奇的な雰囲気を感じる。まるでその瞳の奥に誰にも言えないような闇を抱えているかのよう。
「君に会う人全員、君を狙う殺人鬼になるんだ。今日から、ね……」
ふふ
幽霊は微笑んだ。一見優しそうな笑い声だが、その心の奥には狂気を宿しているようにも思えたのは僕の気のせいだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!