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「いよいよ明日だね」
「うん」
体育館の中、カラフルな衣装に身を包み、ボンボンを手にした少女達が円陣を組む。
明日は野球部の甲子園出場がかかった大事な試合。
チアリーディング部の彼女達も、ブラスバンド部とともに応援へと駆けつける。
いや、戦いへと挑むのだ。
狭いスタンドでは、派手な演技は出来ない。
相手の応援団に声で負けては、それだけで野球部員の士気を削ぎかねない。
そして、演技が出来るのは、試合前の数十分と、表裏の交代時間という、もはや隙間時間のみ。
この限られた時間で全力を出し切り、野球部を応援する。
「みんないくよ~!」
「We are エ・ブ・リ・ス・タ!!」
ここに、甲子園地区予選決勝のもう一つの戦いが始まろうとしていた。
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