第1章

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私はその小さな物に呼びかけてみた。 だがその小さな物からは、返事は帰ってこない。 返事が帰ってこないだけでなく、私の身体の表面にいる緑色の物や小さなものと違い、思った通りに動いてもくれなかった。 小さな物は最初活発に動き回っていたが、暫くすると横たわっている事が多くなる。 私は小さな物が横たわり、瞬く物の方を見ながら思う事や、活動を停止している時に放たれる物を、感じるのが好きだ。 思う事や放たれる物は、小さな物とその小さな物と同じ姿の物が抱き合い、小さな物同士で通じる何かを囁きあっている所だったり、小さな物より同じ姿の物だがもっと小さな物を抱き上げ、瞬く物を見上げている所だったりする。 小さな物は少しずつ衰弱していくと共に、だんだん痩せ細っていき、動き回ることが無くなった。 この小さな物も、私の身体の表面にいる小さなもののように、死んでしまうのだろうか? 嫌だ! 私の身体の表面にいる緑色の物や小さなものが見ない何かを、もっと、もっと、見せてくれ。 その時私は、それほど遠くない所に、小さな物に似た物が存在する事に気が付いた。 私は彼らに向けて呼びかける。 「助けて!!」 無駄かも知れない、だが私は、無駄であっても叫び続けた。 「お願いだ! 助けて!!小さな物が死んでしまう」
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