②…滝

2/15
335人が本棚に入れています
本棚に追加
/190ページ
始まりはいつだったのか? 中等部に進学して、憧れだったテニス部に入部した。 練習はキツかったけど、仲間たちと汗を流し、 優しい先輩たちに囲まれ楽しかった。 帰り道は、他愛も無い話で盛り上がったりして、 それなりに部活をエンジョイしていた。 もともと運動神経も反射神経も人並み以上だったオレ。 中等部の伸び盛りもあって、教えられた事をドンドン吸収し、 アッという間に上達していき、 大きな試合じゃないけど、 1年にして、試合に出られる事になった。 嬉しくて浮かれてた気もする。 真夏の暑い季節。 炎天下での試合、 ラリーが続き、緊張し切迫してきた時、 いきなり呼吸が、しづらくなり、 喉が、胸が詰まる感覚に襲われ、 うまく息が吸えず苦しくなって、 コートに倒れ込んだ。 その試合は、棄権となり敗退した。 呼吸は、胸の苦しさは、 しばらくしたら安定し戻った。 暑い中の試合、初めての試合で緊張してたんだろ…っと、 軽く考えていたオレ。 でも、その後も試合に出れば同じ事が続いた。 オレはテニス部を辞めた。 過度の緊張をしなければ起こる事は少ない。 緊張型過呼吸と診断され、その事は、 今まで誰にも話した事の無い話だ。 結局のところ。 オレは精神的に弱っちい男って事なんだなー!
/190ページ

最初のコメントを投稿しよう!