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学校から寮まで歩いて10分。
『成田の部活どうだった?
綺麗だって人、見れた』
「うん、見学してる生徒も結構居てさ、 確かに弓を引く姿? 姿勢って言うのかな? 綺麗だったよ!人気があるのも分かる気がするよ」
『顔も、ちょっと可愛くていいだろ』
蒼が言った。
「…え? 顔、」
特に顔を気にしていなかったオレ。
そんなオレを見て蒼は、
『はぁ? 顔見なかったのか?』って聞く。
「……うん、チラッとは見たけど…」
どこを見てたんだよって笑う蒼。
(どこって)
弓を打つ所だけど…なにか?
そう心の中で呟き、
「あんなに人気があって、同じ学年なのに、
オレ、なんで知らなかったんだろ」
『あいつは通学生だから、寮から通うオレらとは、ちょっと時間帯も違うし、教室だって、2階と3階だしな、同じクラスじゃないと、わりと接点無いからなー でも目立つ奴だよ 』
蒼がそう話す。
オレは、ふーんと鼻を鳴らした。
『お兄さんなら、知ってるんじゃないか?』
「…え?!… お兄さん…」
その言葉で思い当たるのが超人気な兄弟…
あぁーっと納得するオレ。
そしてオレは、
「カッコ良かったよ…
蒼のセッター姿、思わず見惚れたー」
蒼に顔を向ける。
蒼は照れ臭そうに少し顔を赤く染め、
『そっかぁー』
って言って両手をポケットに入れ俯いた。
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