②…滝

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  学校から寮まで歩いて10分。 『成田の部活どうだった? 綺麗だって人、見れた』 「うん、見学してる生徒も結構居てさ、 確かに弓を引く姿? 姿勢って言うのかな? 綺麗だったよ!人気があるのも分かる気がするよ」 『顔も、ちょっと可愛くていいだろ』 蒼が言った。 「…え?  顔、」 特に顔を気にしていなかったオレ。 そんなオレを見て蒼は、 『はぁ? 顔見なかったのか?』って聞く。 「……うん、チラッとは見たけど…」 どこを見てたんだよって笑う蒼。 (どこって) 弓を打つ所だけど…なにか? そう心の中で呟き、 「あんなに人気があって、同じ学年なのに、 オレ、なんで知らなかったんだろ」 『あいつは通学生だから、寮から通うオレらとは、ちょっと時間帯も違うし、教室だって、2階と3階だしな、同じクラスじゃないと、わりと接点無いからなー でも目立つ奴だよ 』 蒼がそう話す。 オレは、ふーんと鼻を鳴らした。 『お兄さんなら、知ってるんじゃないか?』 「…え?!… お兄さん…」 その言葉で思い当たるのが超人気な兄弟… あぁーっと納得するオレ。 そしてオレは、 「カッコ良かったよ…  蒼のセッター姿、思わず見惚れたー」 蒼に顔を向ける。 蒼は照れ臭そうに少し顔を赤く染め、 『そっかぁー』 って言って両手をポケットに入れ俯いた。
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