334人が本棚に入れています
本棚に追加
/190ページ
『滝、背中洗ってくんねー』
その言葉にドキっとするオレ。
『ひとりで入るとさ、背中なんて適当にしか
洗わないじゃん 知ってるヤツでもさ、
いりゃ洗ってもらう事もあるけどな』
そう言ってナイロンタオルをオレに渡す。
ふーんと言いながら受け取りソープを付ける。
蒼が横を向き、オレに背中を向ける。
泡泡にしたタオルでオレより少しデカい背中を洗う。
蒼の背中を洗いながら、
運動をしているからか、
セッターをやっているからか、
肩の筋肉や背筋がしっかり付いて無駄な肉の無い
綺麗な背中をしていると思った。
泡のせいか…
ツルツルとした肌。
思わずタオルを持っていない左手で、
蒼の背中に触れた。
ズキンっと疼いた。
(ヤバい)
ピクンと小さく跳ねたオレのもの。
他に気を向け ……紛らす。
オレは気が付かれないように、
自分のタオルをそこに掛けた。
最初のコメントを投稿しよう!