③風呂

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『滝、背中洗ってくんねー』 その言葉にドキっとするオレ。 『ひとりで入るとさ、背中なんて適当にしか 洗わないじゃん 知ってるヤツでもさ、 いりゃ洗ってもらう事もあるけどな』 そう言ってナイロンタオルをオレに渡す。 ふーんと言いながら受け取りソープを付ける。 蒼が横を向き、オレに背中を向ける。 泡泡にしたタオルでオレより少しデカい背中を洗う。 蒼の背中を洗いながら、 運動をしているからか、 セッターをやっているからか、 肩の筋肉や背筋がしっかり付いて無駄な肉の無い 綺麗な背中をしていると思った。 泡のせいか… ツルツルとした肌。 思わずタオルを持っていない左手で、 蒼の背中に触れた。 ズキンっと疼いた。 (ヤバい) ピクンと小さく跳ねたオレのもの。 他に気を向け ……紛らす。 オレは気が付かれないように、 自分のタオルをそこに掛けた。
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