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「いらっしゃいませ。」
そこまで広くない店内の奥、カウンターの向こう側に立つ男が見えた、目元を黒い包帯の様な布で隠した銀色の長髪で黒いスーツ姿をしているその男は静かに手を椅子へと向ける
そのまま俺は勧められるまま椅子に座り出された紅茶を飲む
「ここは時計屋なんだろ?」
壁には掛け時計、カウンターの男の後ろには懐中時計がズラリと並んでいる、全部時計の針が無い
ポケットから一つの懐中時計を取り出しカウンターへ置く
「時計の買取とかしてたら買ってほしいんだよ、一つしか無いけど」
針が止まった金色の懐中時計
男は少し時計を見る様に顔を向けて頷く
「ええ、買取ましょう
その時計は私も探していましたからね」
そう言って置かれた茶封筒、けっこうな厚みがある
マジかよ。
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