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封筒を見て顔色を変えたものの態度は変わらず、一言の礼をして持ち帰った
カチャリと奥へ続く扉が少し開き伺う様に顔だけ出した少年
「クロ…なんであんな大金渡したの?」
月と太陽の装飾を見れば一目瞭然、この時計は私が作った物
「それでも、ここまで持ってきてくださったので。」
表情は変わらないまま、上着を着せる
少年は深く考えない様にしてきたけれど少し不服そうだ
「また、あの人来るよ」
一言だけ言い残し店の扉を閉める、クロと呼ばれた店主は笑みを深くした
「あの方はこれをどうやって手に入れたんでしょうね」
針が溶けるように浮かび上がり蝶の形へと変化する、黒い針だったものは青く小さい蝶は白い指に止まりそのまま口の中に
パリンと薄いガラスの割れる様な音が店内に響いた。
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