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カチカチ、カチカチ、きりきりきり
天蓋から下がるカーテンを揺らす、男はネジを巻く手を止めてこちらを見た
「その音は嫌いだよ」
湯船にはったお湯を足で揺らす、男はネジ巻き式の時計を椅子に置き近づいてくる
「まったく…私に善行をさせるとは」
責める様な様子も無い、いつもの様に微笑みを浮かべたままカーテンを開けてタオルを広げ立ち上がった僕の肩にかけてくれた
「いいじゃん、クロはいつも嘘つきだもん」
ピクリと少しだけ、体が強張る、嘘つきクロぴえろのクロ
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