stage⑦

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転移先は遺跡のような場所だった。 岩壁が横に広がる広大な地。足元は不確かで、ゆらゆら~ぐらぐら~してんねん。 視界遮る霧の中で靄(モヤ)の道を歩いてるよう。 砂色の建物が遠くに点々と見えるのは、屋根の頂部分やろう。 「ココは?」 「風の海だ。さて。無粋な真似はしたくないが仕方ない。情事の邪魔するかな?」 ええっ?じょ情事て言い方が卑猥やわ。 「一颯と颯真に宵闇の彼方が番人の案件諸々、報せないとな?」 ニヤリ。 妖しく微笑むシエロはド迫力やった。 「わ、わわかった。」 返事しながら、キス待ち顔のシエロに吹き出してしもた。 「ユウコ。俺の胸中察しろよ?」 右手を掴んでグッと引き寄せられ、そのまま指を絡ませた。 「バベルを目で殺しかけたぞ?」 シエロなら殺りかねへん。眼光を貫通させそう。 【シエロ大好き。】 背伸びして首に両腕を絡ませると、しなだれるよう凭れた。シエロが私の腰に腕を巻き付けて甘く縛った。 深い青い瞳に銀色のベールがキラキラしてる。吸い込まれていきそう。 「おいっ!そっちが盛ってどうすんだよ!?」 ギクッ。 いつもの颯真が白けた視線を飛ばしてた。 「我が家へようこそ。」 艶やかな一颯が手招きしてたので、シエロの腕から抜け出し、一颯の胸に飛び込んだった。 「おいユウコ?」 慌てた声色でシエロと颯真が同時に叫ぶのを、背中で聞き流して、感謝の気持ちを込めて一颯を見た。 「一颯。颯真とイズミを助けてくれてありがとう。ホンマに一颯が怒ったらイズミなんて瞬殺やろ?」 「ふふふ。んねぇ?あんなカタイ奴より、ずっと気持ちヨクさせてあげるわよ?ユウコなら3ピ…… ベリッ!! 颯真は一颯をシエロは私を引っ張った。マジックテープをベリベリ剥がす幻聴が聞こえたわマジで。 颯真と久しぶりに話せた気がする。 「マイ姉さんが番人とは世も末だな。あの厚塗りッイタタタタ。」 思いっきり、ほっぺをつねった。 「麻衣子の甥っ子なら容赦しぃへんよ?偉そうにどの口が言うてんねん。」 「叔母じゃなく姉と呼ばせてるんだそ。」 「はいはい。」 長い長い1日が終わり夜が更けてゆく頃には、うとうとシエロの胸で眠っていた。 ギルドカードの受信履歴を気付きもせずに…
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