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無意識に、虹色の羽根を額のビンディを的にして、ダーツの矢を当てる感覚で投げた。
やった!!
命中したんは紅鏡のおかげやな。
「っ、ぅうううっ。」
イズミは呻き声を上げて、その場に倒れた。
今までの罪を償って欲しい。これからの未来を夢見て欲しい。紅鏡の円舞を踊りながら絡み紡ぎ結いレイにしていく。
闇龍が話しておこうと、睡蓮の一族の話を聞かせてくれたのを回想しながら…
【まだ終わったワケちゃうで。あきらめたらアカン。逃げたらアカン。麻衣子みたいな虚ろな目になって欲しないねんっ。
……和泉(イズミ)!!】
ピカッ!!
イズミの額から目映い光が溢れて、思わず目を反らした。
◇◇◇
水の都は水龍の棲みかだった。人族が繁栄していく中で互いに関わるようになり、太古から睡蓮の一族がパートナーとなることが多かったという。
睡蓮の前は、睡蓮の曾祖母が水龍のパートナーだった。水属性は女性が秀でることが多い。子宝に恵まれる傾向で一族は大所帯。
イズミは睡蓮の母、秋桜子(アサコ)と、獣人族の旅人との間に授かった娘。一度きりの逢瀬で産まれた異父姉妹で、事実を知るのは一族のみ。表向きには従姉妹で徹してるらしい。
◇◇◇
獣人族の象徴であるウサギ耳。
イチバンの特徴が姉妹と違うのは、思った以上にダメージあるやろな。物心つく頃には色眼鏡で見られたり、噂話のネタにされたりしたんやろな。
初めてイズミに会うた時、ウサギの耳を「かわいらしい」を連発してたわ。
本心からの言葉やから、嫌がらずニコニコしとったんかな?
闇龍がトドメ刺しよった。
「イズミには双子の妹もいてイズミを慕ってる。」
「寛大な旦那さんやな?秋桜子さん、お盛ん過ぎるわ。」
珍しく闇龍が爆笑してたんやで。
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