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待機してたCOLORSの皆も駆けつけてくれてん。尻尾をふりふりするバベルに報告しとこ。
「バベル。麻衣子んとこのバロンがコッチに来てるで。」
「バロン?ああ、あの白猫か。」
「追いかけて来たんやって。」
「へえぇ。誰を?」
きょとんとした顔付きのバベルに戸惑いを隠せず、ヘンな声を出してもうた。
「へっ?」
「へっ?てユウコ、犬ならまだしも猫だろ?俺よく知らないし。」
「ええっ?ベタ惚れやったで?」
思わず2人で顔を見合わせた。
バベルに麻衣子は元の姿のまま来てることや、尸使いの予言通りに宵闇の彼方から出られないこと。バロンはバベルの側に居たいことを話してんよ。
そしたらな?
「ふぅん。あの鳴き声は白猫か。」
バロンかわいそうに。バベルの認識うっす。
「もう一度宵闇の彼方に行きたいんよ。バベルも…」
「わかってる。まさか白猫が俺を追いかけて来るとは思わなかった。なぁユウコ。姿が前のままなら、肉体はアッチに残ってるんじゃないか?」
「事故のショックで意識不明とか?」
「それともアッチで死んで肉体もナイか。ユウコじゃなく白猫が鍵だと思う。」
……鍵は白猫?
「その絶対的な確信はどこから?」
「直感。」
大胆やなバベル。
「ユウコは天龍のパートナーだろ?理に反してるとは思えない。現に追いかけてきた俺が何ともナイし。淳史に拾われ世話になる流れって、悪くナイだろ?」
確かにな。客観的にみても、貴族の従者になれたのは幸運やと思うわ。
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