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バベルは両手を差し出した。
「宵闇の彼方が番人バロン。番人の任から俺のパートナーとして共に生きる道を選んでくれないか?」
ひゃあ!バベルってば、いきなりどないしたん?バロンが好きなん?
数時間前のバベルは、ここでの記憶を失ってたのはわかるけど、バロンへの気持ちも思い出したんかな?
バロンは微動すらしぃへんで。驚きすぎて喋るん忘れてるんとちゃうか?
フリーズしたバロンを抱き寄せたバベルの表情に翳りはない。
その絶対的な確信は何なんやろ?まぁ抱きしめて拒否されへんし、伝わるもんがあるんかな?
「バロン。白猫の望みも俺の希みも叶えたんだろ?なら俺がバロンの願いも叶えたい。」
【バベルの思うままに。】
「俺じゃなくてバロンがどうしたい?」
【バベルの側に居たい。】
破格したバベルの笑顔にドキッとした。
仔犬のバベルはもういない。華麗に成長を遂げた顔してるわ。嬉しくて寂しい親の心はフクザツやわ。
抱き合うふたりは幸せそうやけど、肝心なこと忘れてへん?
あっ。
「なぁシエロ。バロンがバベルと会う時は、バベルの命の危機やって言うてたんちゃう?」
「ユウコが虹色の羽根を渡したから大丈夫だろ?」
「なつみが襲ったとき?虹色の羽根が身代わりになったから消えたで?」
「これからはバロンがいるから心配いらん。」
「宵闇の彼方が無人になるん?それこそ大丈夫なん?」
バァン!!
乱暴に蹴飛ばしながら開け放たれたドアの影から、ムッとした顔で麻衣子が出てきた。
「どいつもこいつもリア充爆ぜろボケ!」
うーん。麻衣子のキャラ崩壊しとるわ。 宵闇の彼方の新しい番人なんやな。
尸使い≒闇属性持ちやし。
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