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翌朝。
昨夜は疲れてたし、ギルドカードにはストーカー並みの受信件数がきてたんやけど、見事に爆睡かましてたんよね。
もち発信者は国王。目の前に座るウザウザ大王様のご機嫌を損ねた以上、無抵抗でシエロと私、颯真と一颯は、王宮で正座させられています、ハイ。
「ユウコちゃんまでボクへの報告を怠るとはどういうつもりだい?」
こ、国王っ、ここ、こわっ!
怯む私の髪をポンポン撫でつつ、口を尖らせた颯真が、畏れることなく国王を睨み付けた。
「るせぇ。ユウコは僕を心配してお見舞いに来て眠っちゃっただけだし。ここから動けんから八つ当たりじゃね?国王のバァカ。」
「あ″あ″?バカは颯真じゃん。バカバカ言う張本人がバカなんだぜ?バカ颯真っ。」
「バカにバカ言われても説得力ゼ~ロ~♪」
「何ぃ?颯真キライ。ボクとキャラ被ってるし。ふんっ。イズミにヤられちゃえばよかったのに。」
「ふんっ、キライでいいし。」
「はいはい。2人ともいい加減になさって?」
一颯が取り繕い、互いにワインをガブガブ飲んでた。
ワイングラスを放り出し、涙を流して笑う理人が、
「親父と颯真はいつもあんな感じだよ?」
と、優しい笑顔でソファーに座るよう促した。
「淳史や雪乃、雪乃や睡蓮から話は聞いてる。だが颯真やユウコからも聞きたいんだ。」
話が終わる頃、ミューズとレトが会いに来てくれた。
「ユウコ!月亮とフレンドになったんだよ。」
ちらりミューズを見た。
「ふふっ。心配ないわよユウコ。月姫様は殺意も怨念もございませんと、レトに赤裸々に語り、謝ってくださいましたのよ。」
「ふーん。月亮は師匠の側におるん?」
「そうだよ。かんたんに牢を抜け出しちゃうから、独房を隣にしたんだって!ラブラブだよぉ。」
えっ、バカップルな両親だけやなく、周りの人たちまでイチャイチャしてるん?
「レト健気やな?」
よしよし。もふもふ頭を撫でていたら、やぁーっと颯真も理人と会話してた。
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