stage①

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山積みの原料を仕上げる作業をしていると、皿洗いに似ていると思いつつ集中してたら、いつの間にか時れ間が経過してた。 汚れた布を桶に入れると今日の作業は終了した。 「今日はここまで。さぁ夕食だ。」 みんなでダイニングに行った。受付の女性がニヤニヤしながら、焼き魚と具沢山のスープとパンをよそってくれた。 「ユウコ。ロビンから聞いたけど、トビウオ釣れたんだって?キレイな顔してやるわね!」 キレイかどうかは無関係やと思うわ。ちなみにトビウオ少年はロビン。うさちゃんはイズミ。ワンちゃんはトーリ。 「小刀が欲しかったから嬉しかってん。」 「よかったわね。ユウコの武器は手裏剣だから、接近戦には別の武器がいるもんね。」 そこまで考えてなかったわ。この人スゴいなぁ。よく見たらみんなの左耳にも銀翼のピアスがついてる。 「俺は紫のトビウオが釣りたかった。」 「なんで?」 「使い魔スロットの空きがなくてさ、今はランクDだから3枠しかないけど、あと2つ増やせるから。」 どうやら景品が充実しているイベントは、初心者のレベルアップを応援する好意が含まれてるらしい。 「知らずに参加してたわ。」 「欲がないから当たるのよ。わかったカイル?急がば回れ。武器作りと同じよ。」 「姉さんはクチウルサイ。」 「何ですって?」 ギャースカ口喧嘩する2人を見ながら夕食を済ませると、シエロの元に帰ろうと思った。 「ごちそうさまでした。明日は何時に来ればええの?」 「ええっ!?」 みんなが一斉に声を上げた。 この依頼は泊まりだった。夜歩きは危険が伴うし、早朝から作業ができる利点もあるらしい。 レベルが低い初心者やからとゴモゴモ言い訳するハメになった。
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