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職人さんは感嘆の声を上げた。
「ほほう。装備と属性にシールドか。使い魔が玄武とは恐れ入ったよ。儂はグレン。グレン・ゴルド。武器職人として名を知られた者だ。」
看板の横にあったロゴマークに見覚えあった。
「この背中の手裏剣もそうなん?」
「そうだ。これから鍛えるのか?」
「はい。」
「ではギルドの受付で儂の名を出せば、密偵のフウマと接触できるはずだ。」
グレンの言葉に外野が(失礼。)ガヤガヤ騒ぎ出した。
「ええっ!?フウマさんの生徒?」
「フウマさんに教えて貰えるのか?」
「羨まし過ぎるっ!」
「うるさいガキ共。さっさと手を動かさんか。」
「グレンさん、ご紹介ありがとうございます。」
好意に甘えるかどうか考えるのは後回し。先に感謝の意を伝えた。
「礼には及ばない。昨夜はイズミが失礼した。」
頭を垂れて謝罪するグレンさんに、ラゴスクスは重々しく頷いた。
「ラゴスクス、昨夜って何なん?」
「………。」
黙秘するラゴスクスに代わり、作業場に来たイズミが言った。
「ユウコのギルドカードを勝手に見ようとしたら、強い結界に遮られた反動で倒れたみたい。本当にごめんなさい。」
「ラゴスクスの防御魔法か。痛かったやろ?体調大丈夫なん?」
「もう平気。呪縛が解けたみたいにカラダが軽くなったの。私も依頼やります。」
ラゴスクスが赦した時に体調が元に戻ったんやろうな、きっと。
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