stage①

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「ごめん。堪えられへんなんて言うた。無理やと思った。シエロが死んだら生きられへんって思った時点で、側におっても離れてても結果は同じやんな? シエロの顔を見て話して笑って泣いて。毎日おはようおやすみって言うて。それだけで幸せやねん。」 「ユウコ。」 優しい瞳は夜空で光る星のよう。シエロの中に吸い込まれていく気がした。 「あの時。ユウコの腰に携えていた宝玉を見つけた。実はあの宝玉は龍のパートナーに選ばれし者だけが持つという伝説の珠だった。 何も知らぬユウコが戸惑い逃げる姿を、気付いたら必死で追いかけていた。 ユウコが俺を射るような目で捉えた瞬間、惚れた。だからパートナーの契約を交わした。それだけだ。」 熱い抱擁にクラクラしてしまう。でも離れたくない。このまま側にいたい。この胸に身を委ねていたい。 「ユウコ、顔を見せろよ。」 「無理。」 ブンブン頭を横に振る。 「ほら、ユウコ… 両手で水をすくうように、耳元に手を添えて持ち上げられてしまった。 星が揺れてる。私の瞳は涙で濡れてるから、滲んでシエロの瞳が揺れてるんやわ。 「ユウコ、好き。」 ハラハラと零れる涙は、シエロが唇で受け止めてくれる。 「シエロが、好きやねん。」 いややわ。こんな時にハナ声やし。 「物怖じしない態度や話し方とのギャップが堪らん。可愛くて困る。」 「どこが?シエロの目ぇオカシイわ。」 「無自覚だから釘を刺したいだけだ。ユウコは俺のパートナー。わかったか?」 耳元に置かれた両手のあたたかさ。おでこをぶつけるように、ひっつけて囁くイケメンブルーに悩殺されてしもうた。 「はい。」 頷いた瞬間、甘く熱く唇が私の唇を塞いだ。 【続く】
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