stage②

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翌朝。 ギルドの受付で、初依頼完了の手続きを終えた。手裏剣の講師はギルド内にいる私を探し当てるから、自由にしてて構わないと言われて、ベンチが置いてある休憩スペースにいた。 ギルドカードのヘルプを読みながら、始まりの聖地のクエストをチェック中やけど、早く誰か来てくれん? シエロの目が!手のひらが! 絶えず私を見て触ってイチャつこうとするねん。もうアマアマを通り越してドロドロなんよ。 乙女心は20年前に封印してたし、イマドキの若いコ達みたいに、公衆の場でイチャつくなんて出来へん。 「ゆ、う、こ。部屋に戻るか?」 アカン!!そんな悩殺光線浴びせんといて? 「ククク…」 下を向いてるけど、笑ってるんバレバレやで? いつものシャカリキ、どこにいったん?恋愛なんて久々すぎて、どうしたらええの? よっしゃ。こうなったらアマアマからシリアスに。シリアスは無謀でも、せめて平常モードに戻さなあかん。 「シエロ。始まりの聖地について教えて。」 「嫌だね。ユウコとこうする時間減らしたくない。」 わぁー!! 死守してた僅か15㎝の隙間がぁ。 「失礼します。ユウコってアンタ?」 助かったぁ! って、キレイやなぁ。思わず見とれてしまったわ。 救世主、いや緑髪碧眼の色白美女が現れた。 「私が颯真(フウマ)よ。練習場借りるから行くわよ。パートナーの彼は、悪いけど外して頂ける?」 颯真はシエロが居なくなった瞬間から、想像以上に厳しいスパルタ講師に変貌したんやで? 人は見た目で判断したらあかんで、ホンマ。
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