stage②

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2階には寝室と納戸のドアが左右に一つずつ。 寝室のドアを開けると、白いレース生地でベッドを覆っていた。 目隠し?日除け? 早速シエロはカーテンを手で払い、私の腰に回した手をグッと押して、ゆっくりとベッドに横になった。 銀色の瞳がゆらめく。シエロの瞳ってキレイやな。 「この家って私のため?」 「ユウコと俺のため。人族が大勢いる気配に慣れないのは俺だ。虫や獣の鳴き声や羽音は気にならんが、ユウコ以外の人族は苦手なんだ。」 「ありがとう。ここ落ち着く。シエロに貰いっぱなしで、私はちゃんと返せてる?」 「あほぅ。毎日おはようおやすみって俺に言うなら、この距離じゃないとな?」 煌めく瞳は月のよう。ずっと見ていたい。 「ユウコ…おやすみ。」 瞼に唇を押し当てる優しいキス。 嬉しいけど焦れったい。初めて私からシエロへキスをした。 「シエロ、おやす……んんっ。」 熱くて甘い返り討ちに合ってしもうたわ。 ◇◇◇ 今日で特訓6日目。 初日から同じ型ばかり繰り返してる。肆の型から拾弐の型まで増えたものの、手裏剣には一度も触れていない有り様。 ノンキな私も、胸を掠める不安を振り切って、踊るように泳ぐように、カラダを動かす。 パンッ! 「ユウコ。陸の型でふらついたら怪我をする。腕を疎かにしては危険よ。はい、もう一度。」 「はいっ!」 アカン。脳内のBGMは巨人の星や。試練の道はここにもあったで。 壱の型からやり直す。カラダに覚え込ませるリスクは、おざなりになってしまった場合、気付かないという怖さかもしれへん。
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