stage②

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一連の動作の最後に攻撃や防御の技が入ってる。型通りに手裏剣を扱えると、自身の手足以上の働きとなる。 パンッ!! いつもより大きな拍子だった。 「ふふっ。有羽子ったら集中してたわね?いいわ。最後に手裏剣を持ってやりましょう。」 「やった!」 「明日は模擬試合するから、質問は今だけよ?」 「ええっ!?誰と?」 「明日のお楽しみ。ここまで愚痴も文句も言わなかったご褒美よ。」 「……模擬試合が?」 壱の型から手裏剣を持って行うと、武道というより舞に近いで。 手裏剣は2分割されて両手に持つ仕組みやってん。パカッと割れた時にはホンマびっくりしたで。 両手やと扇子にも見えるんよ。 「颯真。手の甲で滑らへん。」 「反動を使わないと厳しいわ。」 「落としそうやわ。」 「落ちたら相手は視線を投げる。左手の手裏剣ですかさず攻撃よ。」 うーん。高度な技やな。 「いつ拾うん?」 「相手が倒れた後よ。」 「一撃出来へんかったら?」 「あきらめる?」 「イヤや。」 負けるんイヤや。私は勝ちたいんやで。 「拾の型に行きなさい。順番じゃなくていいの。」 「了解。」 「クエストでは水か光魔法を付加するのよ。」 ま、魔法? 「なぁに?その顔。」 「颯真?魔法って?」 「えっ?」 「えっ?」 実技ばっか念頭にあり、魔法を一度も使ったことないし、やり方わからへんで? 颯真は肩を上下に小刻みに揺らして笑い始めた。
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