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「有羽子は、どうやってこの世界に来れたんだ?」
「私は道路にポッカリ大きな穴が現れてん。」
「へえぇ。僕は竜巻に飛ばされたんだ。関東には突発的な竜巻が頻繁に起きてて。」
竜巻の規模は大小様々。威力も発生時間帯も。突風の中で生き延びた颯真は一颯と出逢ったのだそう。
「一颯がヤキモチ妬くからオンナの姿にしたんだ。」
「あはははは。ラブラブやな。表向きの言い訳もバッチリやん。」
「だろ?初日に有羽子も、シエロとイチャついてたじゃん。」
ボッ!!真っ赤になる私。
「あれはな、うん。翌日やったし。」
「エッチした?」
はぁああああっ!?
「っ!ちち、ちゃうわぁっ!このボケェ!」
思いっきり頭を叩いたった。
「一颯、颯真の教育係ちゃうん?大丈夫か?頭ん中ピンク一色やで。」
「そんな単純筋肉バカが好きなの。仕方ないでしょ?」
颯真の頬を妖しく撫でながら微笑む一颯は、思わず息を飲む艶やかさを魅せる。
一颯の指が、颯真の頬から顎へ、顎から首筋へ伝っていく淫らな動きにドキドキしてしまう。
「有羽子は僕より実年齢は下だろ?」
「えっ、颯真は幾つなん?」
「21。大学生だよ。就活しながら社会人って厳しいって思ってた。彼女はいないし、アッチには未練ないんだ。」
どーゆー思考しとるんや。未来の日本を担うのが、こんなチャラいので心配になるわ。
あれ?21て娘と変わらへんやん。
「はぁっ~。帰ったらどうするん?」
「えっ、帰れると思ってる?僕たち、アッチで死亡したから転生したんだぜ。ただ異世界に来たなら、こんなメタモルフォーゼしないな絶対。」
「そうやろか?私も未練はない。やるだけやりきって来たから。」
「そっか。有羽子は頑張りすぎ。」
この話はここまで。
「魔法ってどうしたらええの?」
シエロが解説してくれた。
「魔法とは発動させるために呪文を唱える者もいるが、本来は必要ない。魔法とは想像力で創造的に生み出すもの。ユウコの内に秘める属性が反応するんだ。」
「何となくしか理解出来へん。」
「ユウコが身の危険を察知しないと、魔法も使わないから模擬試合をするのよ。」
と、一颯が微笑んだ。
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