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翌朝。ギルドの受付に行くと、先に颯真が来ていた。いつもと雰囲気が違う。
きっと一颯との2人羽織体制ではなく、別々にいるからやろうな。独特な艶っぽさは一颯にしか纏えない気がする。
「ユウコは気配に敏感だな。他のヤツは気付かないんだけど。」
「お姉の人みたいやで。」
「げっ。ヒドォ~。」
実はな?昨夜覚えた属性の特質を忘れまいと、必死に復習しててん。
スマホやったら右上タッチか、ヘルプ見たらええけど、試合中には無理やん。
「火は水に弱く風に強い。水は土に弱く火に強い。風は土に強く火に弱い。土は風に弱く水に強い。火は……」
「ユウコって、あんまオンラインゲームしてなかったな?ド素人じゃん。」
「ウルサイわ。光と闇は相対的。どちらの攻撃も防御も効果あり。」
「まぁ、ユウコは星属性あるから大丈夫だろ?」
どこ見ても星属性については書かれてへん。シエロに訊かなあかんわ。
ギルド内の競技場へ案内された。室内運動場みたいな感じやな。
「久しぶりだな、ユウコ。」
私たちを出迎えたのは、笑顔で手を振るグレンとイズミだった。
「私と模擬試合よ。勝ったらクエストに行けるでしょ?」
「イズミと?お手柔らかによろしく。」
「やっぱオバチャンみたい。」
クスクス笑いながら握手をした。
「あまりレベル差があったらダメだし、互いに経験値上がるでしょう?」
オンナ口調への切り替えも見事やけど、ニヤリと笑った颯真は不気味だ。
「ほほう。余裕だな颯真。ユウコは1週間特訓しただけじゃろう?イズミはレベルは低いものの、武器の扱いは優れておる。」
見えない火花が散った。
「ユウコを紹介してくれたこと感謝するわ。勝たせて貰うわグレン。」
「はいはい。2人とも、お喋りは終わりだ。審判は私が行おう。」
肩を竦めて、カケルがイズミと私を定位置に誘導した。
ギルド長がわざわざ審判?大袈裟やな。
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