stage②

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イズミの武器は片手で操作できる弓矢だ。 「今回は体術と魔法のみ。使い魔は禁止。私の合図で試合開始だ。何れか戦闘不能若しくは審判判断で試合継続不可能とみなせば終了。準備はいいかな?」 無言で頷くイズミと私。お互いに初試合やし、緊迫した空気が競技場を包んだ。 「では。3,2,1,スタート!」 【参の型】先手必勝。 手裏剣の一方は闇属性を付加して重圧感を増して攻撃しつつ、もう一方は飛んでくる矢を光属性を付加して眩ませつつ防御する作戦やってん。 イズミは予想通り、数本の矢を向けてきた。イズミの属性は火、風、土。 火は私の水属性を考慮し使用せず、風属性で速さを、土属性で強度を増した矢だった。 イズミはまともに手裏剣を受けた。 「クッ。」 えっ?避けたらええのに。 私は参の型で手裏剣をバトンみたいにクルクル回して弾き飛ばしたんやけどな。 だって弓矢が当たったらメチャ痛そうやし、って脳内ツッコミしてる間に、無意識に足蹴りがクリーンヒットした。 あの、わざとちゃうで?悪気は無いんやで。参の型がカラダに染み付いてて、流れでつい、、。 足蹴りした時に弓が遠くに弾け飛んだ隙に、手裏剣を喉元の手前で寸止めした。 「止め!勝者ユウコ。」 ダッと駆け寄って私の肩をギュッと叩いた。 「おめでとう。朝練したのか?足の角度が絶妙だったぞ。」 「型がカラダに染み付いてた。颯真のおかげやな。ホンマありがとう。」 イズミがカラダを起こして立ち上がった。 「模擬試合終了。礼。」 「ありがとうございました。」 イズミは握手しながら言った。 「ユウコ強すぎ。また模擬試合してね?」 「もちろん。弓がイズミの脇に収まる特注品やね。矢も速かったし。」 「速さより技を見せ付けられたわ。私も朝練しよう。」 穏やかな雰囲気をガラリと変えたのはグレンだ。 「ユウコ。明日クエストに行きクリアしたら、手裏剣を誂えてやろう。その手裏剣がレベルMAXになれば進化させられるんだ。」 明日行くん?初めて魔法使ったんやで。無謀なオッチャンやな。
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