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9階ではレアボス?いやヘンピな連中が絡んできただけやった。
最終階の10階。
他の階と雰囲気は変わらへん。歩みを進めていくと、岩影に1輪の花が枯れそうになってた。
「湿気あるから、水不足ちゃうやんな。」
「不定期に光が必要だったのかもしれぬ。」
「光は当たらへんな。遅いかもしれへんけど。」
手のひらで包み込むように、光属性の魔法を与えた。
モンスターたちを薙ぎ払い、押し退けて奥へ進んで行った。
ジャジャーン♪
「ボスが現れた。」
毛むくじゃらの熊みたいなモンスターだ。ド迫力やな。
「シエロ。後ろを。」
「了解。」
げっ!!
火属性の魔法で攻撃してきた。咄嗟に水のドームを作りバリアを張った。
【参の型】
土埃を発生し油断させる。氷矢を両目に攻撃しつつ、氷刃を付加した手裏剣で喉元を狙った。
「ギャアアアッ!!」
断末魔の雄叫びは強烈やし。光魔法でカラダを守った。
チャカチャカチャーン♪
「ボスを退治した。王冠を手に入れた。」
ぽわわん♪
現れた王冠は手のひらサイズ。黄金の指輪みたいに小さい。ただ額の上にあたる正面に、虹色の珠が付いていた。
「ちっちゃ!虹色アイテムなん?」
「ふふっ。私のだから。」
誰もおらへん。幻聴やろか?
「久しいな。」
右肩のラゴスクスが重々しく言った。ラゴスクスの視線を辿ると、ボスが消えた場所にある岩に、小さな小さなオンナの子が、ちょこんと座っててん。
「追憶の鍵である私をお忘れか、天龍よ。」
「えっ、主様なん?」
つい、ツッコミ入れてまうわ。
「さっきはありがとう。」
「えっ?」
「光を与えてくれたでしょう?」
小さな枯れかけた花のことやんな?
「うっかりしてクエストの地に縛られたの。子や孫がいるし、戻る必要はないんだけど、ここはつまんないわ。」
この展開は、もしかしてやけど、、?
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