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食後、ギルド内の店で買い物した。ウエストポーチには初期設定のお金1万1千ゼニーが入っててん。
今月中にアバター設定してチュートリアルまで完了すると、1万ゼニー、回復薬3コ、武器強化素材3コプレゼントだったはず。
厳密にいうと、その全てがウエストポーチに入ってたことに驚き、一旦中身を取り出してはしまう動作を、こそこそ繰り返した。
めっちゃ便利やん!まるでネコ型ロボットの四次元ポケットやわ。
左耳に揺れるピアスは、銀色の翼に象られたイベント参加景品で、チラホラ同じピアスを着けた人を見かけた。
確かクエスト達成時にプチボーナスがアップするアイテムだったと思う。
大小のタオル、下着、靴下、手袋、歯ブラシ、石鹸、水筒、手鏡、ブラシetc…。生活用品の中にアメがあるのは、関西のオバチャン特有の癖かも。
銭湯で自分のカラダを観察した。
水色の髪はツヤツヤしてる。肌も水滴を弾いてぷるんぷるん。スッと伸びた手足は傷や染みなんてない。
客観的に見て、かわいらしいんやで。見慣れてへんだけでな。
懐かしいような寂しいような?いつものキャーピー体型はどこいってん?
仮の姿と思えばいいんやな。
銭湯で逆上せんよう、ほどほどで出た。先程休んでいた部屋に戻ると、シエロはぬれた髪を乾かしていた。
「お帰りユウコ。」
「たっ、だいま。」
イケメンっぷりが増している。ドキドキしながら今の状況を目の当たりにした。
もしかしたらやけど、、、。
「なぁシエロ。私ら同じ部屋で寝るん?」
「ああ。パートナーが別々なんて聞いたことないが。ユウコの世界では別々かもしれんが慣れろ。」
「慣れろ、か。あっさりやなぁ~!」
「ま、俺は寝る。おやすみ。」
シエロは音も立てずに枕元の灯りを消した。
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