第三話 夜襲

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砦に戻ってからが大変だった。 軍師が大喜びし、仲間の方々にも安堵の表情を浮かんでいた。 勝利が見えた、とまで言われ悪い気はしない。 過大評価だと思い、ちょっと不安になる。 まあ気持ちは分かる。 俺という未知数の切り札が入ったのだ。 そうなって欲しいと考えるのは良くわかる。 でも現実は甘くないだろう。 すぐにでも対策を打たれるだろうし、それに俺を生命線にしているということは、それが切れたら結果は言うまでもないだろう。 それだけリスクもある事は向こうも百も承知だろうから、必死になって俺を殺しに来るだろう。 だが、軍師だって馬鹿じゃない。 敢えてそういうことを言うことによって、全体の士気の底上げをしたのだ。 それに藁にでも縋りたい状況なのは、俺も一緒だ。 結局の所、先ほどの前哨戦で削れたのは精々千程度だろう。 こちらが生きて帰って来たのが八百弱で、その殆どが怪我人ではあるが、大勝には変わりないだろう。 それで相手が攻撃の手を緩めるキッカケにはならない。 願わくば、あちらが俺の存在をビビって逃げ腰になってくれる事だな。 多分無理だろうけど、考えずにはいられなかった。。
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