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一応両親に確認をとったのだが、大喜びで俺を送り出してくれたのだ。
俺の後釜というか、畑の方は他の人に売るという方針で決まった。
十歳という未熟な年齢という事が一つの気掛かりなのだが、むしろ若いうちから稽古つけてた方が成長するとのことなので、深くは考えなかった。
とりあえず当面の俺の目標は知識と力と金を手に入れる事が出来たならば、旅に出ようという方針に決まった。
その事について、上司の方々や雇い主の貴族にも許可は頂いたので、一生懸命頑張り続けた。
ついでにその貴族の一人娘のルナお嬢様を口説き落としたが、些末な事だろう。
その甲斐あって、十四の時には剣だけなら領内で一番強くなることが出来た。
しかし、剣で強くなれたところでこの世界では生き残れない。
正確に言えば戦闘に置いては有利に働くのは間違いないのだが、魔法が普通に存在している世界では、村一番程度など雑魚もいいとこだ。
喜ばしい事に、ガキに強さで負けられないと周りの兵士が奮起してくれたお陰で、俺は更に剣の腕を磨くことができた。
ただ、それは前世というアドバンテージがでかかったからであり、マトモな勝負じゃない。
けれど強さを求め続けた事は事実で、魔法や技、その他諸々の技術を学んだ。
その結果、魔法を一切使えないが近接戦闘に置いては、かなりの実力を身に付けた。
……比較する相手が他の兵士しか居ないので、どの程度か分からないが、剣士としては充分な実力は身に付けた。
とりあえず目標は達成できた。
だから金が貯まれば旅に出よう。
そう思っていた矢先、隣国のエルドナから宣戦布告された。
その理由は第三皇子という奴が、ルナお嬢様に惚れたらしい。
俺が落とした女に、恋をした。
でも、一番の疑問はその第三皇子という奴を俺は一度も見たこともないし、聞いたこともない。
可愛すぎる笑顔で俺に一生懸命話しかけるルナを見ていると、つい野外プレイを始めたくなる。
そんな勇気ないけど、頭ん中だからセーフセーフ。
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