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そんなお嬢様が知らなかった、いや教えなかったのかは知らない。
ただ俺を好きなお嬢様は当然の如く、縁談を断った。
まあ絶世の美女だからね、仕方ないね。
それが原因でまさか宣戦布告されるとは思ってもみなかったが、俺の脳内での斬りたい相手のランキングに乗せて置く事で精神の安定を保ち、震えるお嬢様を抱き締められたので、絶対にこの戦争を終わらせる事を決意した。
おっぱい柔らかったし、帰ったら揉ませて貰えると思ったら仕方ないよねっ!
軍事国家であるエルドナは他国に侵略を繰り返す国家である。
厄介な事であるが、沢山の兵力及び優秀な将が揃っている。
加えて我が国ユーデム王国よりも国土が三倍もある。
現在は近くのコーレス商国を攻めていたという話だったが、もう片付いたのだろうか。
「戦争、ねぇ……」
余り気が乗らない。
単なる闘争なら大歓迎だが、そこにいろんな物が関わってくると面倒極まりない。
別に人を殺すのが嫌というわけではない。
既に領内の盗賊退治で経験はしている。
だからといって、別に慣れてる訳でもないのだが、それでも割り切れないほど子供でもない。
領主のレナード伯爵から水の魔法が掛けられた大剣を頂いた。
なんでも切れ味が落ちないそうだ。
血潮を即座に洗い流す魔法がかかっているのだろう。
魔力を定期的に補充しなければならないが、屋敷の魔法を使える誰かに頼めば即座に補充してくれるので、特に気にしてはいない。
防具も頂けたのだが、ボクサーで或る俺は動きにくいのを俺自身が嫌なので、冒険者風の軽装備を身に付けた。
俺だけ何故こんなに良くして貰えるかと言うと、伯爵の一人娘が俺に好意を抱いている事を知っているし、応援もしているのだそうだ。
平民の俺と貴族の令嬢では釣り合わないと思っていたが、どうやら俺を近い将来にでも昇進させる予定らしい。
旅に出るとは言ってはいるが、恐らくその前にでも婚約だけでもさせる予定なのだろう。
しかし結婚したくない。
前世で結婚は人生の墓場とまで言う先輩方やコーチの愚痴を聞いていたので、可愛いルナが、俺のルナがそうなるのが嫌なので余り乗り気じゃない。
まあそれだけじゃないが、この窮地を抜け出してから考えるべきだ。
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